[中山七里] 総理にされた男 [小説]
素人がいきなり総理大臣に、というトンデモ設定のドラマ・映画は幾つかあるので映像化済かと思ったら違っていた。
「しばらく総理の替え玉をやってくれ」総理そっくりの用紙に目をつけられ、俺は官房長官に引っさらわれた。意識不明の総理の代理だというが、政治知識なんて俺はかけらも持っていない。突如総理にされた売れない役者・加納へ次々と課せられる、野党や官僚との対決に、海外で起こる至上最悪の事件!?怒号の展開で政治経済外交に至る日本の論点が一挙にわかる、痛快エンタメ小説。
元々NHK出版のWEBサイトで連載され2015年に出版されたもの。私が読んだのは宝島社出版の文庫版。NHKの意向なのか政治の流れについて加納に学んで貰うという形で書かれているのが興味深い。現実の世界とリンクしていて東日本大震災の震災復興予算が別のことに使われていたことが記述されているのが面白い。政党の名前は架空なのに、だ。
章立ては以下の通り。
①VS政党
②VS野党
③VS官僚
④VSテロ
⑤VS国民
3章目まではお膳立てしてくれる人が居たから総理として振舞えていたのだろうが、4章目からはそれが居なくなってしまう。加納が真壁首相としてどう振舞うか、それが見物。
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