[五十嵐貴久] リセット [小説]
リカ・シリーズ第七弾。発行されてから読むまでだいぶ時間がかかってしまった。
母方の親戚にあたる16歳の結花を引き取ってひとつ屋根の下で暮らすことになった4人家族の升本家。結花の父親は交通事故で死に、その後母親が新興宗教にはまって出家したらしい。そんな訳ありの美少女に高校1年生の次男晃は一目で恋に落ちしてしまう。
「あたしは結花じゃありません。リカです」
本書はほぼ一貫して升本家の次男晃の目線で記述されている。何故「ぼほ」なのかはネタバレなのでここではおいておく。
「リバース」と「リフレイン」の間の話で「リフレイン」でリカが何故「升本」姓になったかが分かる巻でもある。晃の母、奈緒美とリカの父武士は腹違いのきょうだいでリカの両親が居なくなったことで浦和に住んでいる升本家にお鉢が回ってきたようだ。
升本家はいわゆるステップファミリーで晃は母奈緒美の連れ子、長男は父の連れ子である。これが後で効いてくる展開に…。
晃が恋という幻想に惑わされてリカに対する認知がずれまくっているのが怖い。先生との事にしても何故ハマキョーの事にするのだろうかと疑問ありあり。恋するとここまで認知がずれるのという恐怖。恐怖なのは母親と長男の本当の関係もそうだし、晃の実父が何故亡くなったかというのもそうだし、再婚するまでの過程も同じ。
次回作は映画化された「リターン」の後の話とのこと。
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