[櫛木理宇] 侵蝕 [小説]
夏なのでホラーを読んでみた。恐らく未映像化。
皆川美海は平凡な高校生だった。あの女が現れるまでは…。
幼い弟の事故死依頼、沈んだ空気に満ちていた皆川家の玄関を弟と同じ名前の少年が現れた。行き場のない彼を美海の母は家に受け入れてしまう。後日、白ずくめの衣装に厚塗りの化粧をした異様な女が現れる。彼女は少年の母だと言い、皆川家に寄生し始めた。
洗脳され壊れていく家族の姿におののく美海。恐怖の果てに彼女を待つ驚きの結末は?
こんな風に全くの他人が浸蝕していくものだろうか?と疑問。亡くなった息子と同年代で同じ名前(読み)なだけで普通警察案件なのに家に置いてしまう母親の留美子の頭がおかしいんじゃないかと。そもそも息子が生まれてから上の3人の娘たちへの関心、特に次女(=美海)に関してあまりに無関心。冷淡。
母親が次女に無関心、冷淡なのは夫が愛人とのデートに次女を連れて行き愛人に懐いたからという理由があるのだが、そもそも懐いたのは母親に十分に愛されていないという下地があったからではないだろうか?
参考文献に北九州連続監禁殺人事件などがあり、白塗りの女たちによる皆川家への洗脳の仕方がエグいし、リアリティがある。
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