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[長岡弘樹] 風間教場 [小説]

これもドラマ「教場2」の原作だというので読んでみた。


第102期短期過程の仮入校を控える警察学校で新任校長の久光が風間に命じたのは「退校者ゼロ」の教場づくりだった。落伍者が出れば責任者の風間はクビだというのだ。
刑事指導官時代に現場をともにした平優羽子を助教に、第98期の卒業生宮坂定を現役警察官兼生徒の世話係に迎え緊迫の新学期が始まった。



これまでとうって変わって長編小説であった。これまでと大きく異なるのは警察学校は篩であるを覆していることだ。ドラマ「教場2」を観ていて違和感を感じたのはこの所為だったのか!鳥羽・稲辺のエピソード、忍野・堂本・坂根のエピソードは篩にかけて落とすという価値観で物語が展開しているのに、それ以降のエピソードは篩にかけて落とすべき生徒を救っているのだ。風間が方針を変えたのは校長の命令によるものなのだが、ドラマ中に方針を変えることを示唆するような表現が全くなかったので警察関係者の子女だから退学させないだけでは退学させない理由としては正直弱い。教場、教場2がエピソードごとに1話でまとまっていて読みやすいのに伏線をはっていて忘れた頃にまた出てくるのは正直読み難い。実際はそういうものなのかもしれないが・・・。


風間は左目の視野が狭くなり、最後には助教になっている。もう風間教官の話は読めないのだろう。次作は刑事指導官時代の教場0のような作品らしい。


風間教場 (小学館文庫)

風間教場 (小学館文庫)

  • 作者: 長岡弘樹
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2020/12/08
  • メディア: Kindle版


ドラマ「教場2」に使われたエピソードと違いがあれば違いを記す。

・漆原のエピソード。原作では仮入校時。仮入校手続きに遅れそうになり横断歩道を無理矢理渡らせてもらった。亡くなった警官は昨年の卒業生紀野。

・比嘉のエピソード。原作では柔道。平助教官に片思いをして注意報告書に友達の悩みと称して自分の思いを記し、「風間教官をクビにしたくなければ付き合ってください」と平を脅す。

・杣のエピソード。原作ではポリタンク紛失事件はドラマに出てこない兼村という生徒から。ポリタンク盗難を責められ、実験のためと嘘をつく。アルコール爆発の実験を他の生徒の前でやらされるというエピソードはドラマにはない。特別課題の指紋採取はドラマと違って劣等性である杣救済策。

・伊佐木のエピソード。原作では休学をすすめられるのは風間と校長の相談結果によるもの。休学後も定期的に学校で面談をしているのは原作のみ。杣と警察学校入校前に面識があったような描写は原作にはない。

・難読漢字のエピソード。大音声は小テストの問題として出された。


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