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[五十嵐貴久] リメンバー [小説]

「リカ」シリーズの第5作目。第2作目「リターン」の約10年後にあたる話である。現時点で未映像化。


バラバラ死体をビニール袋に入れて川に捨てていた女が都内で現行犯逮捕された。女はフリーの記者で20年前の「雨宮リカ事件」を調べていた。模倣犯なのかそれともリカの心理が感染した?精神鑑定を担当した立原教授の周囲では異常かつ凄惨な殺人が続発していた。
現場付近で目撃された長い黒髪の女は何者なのか?


プロローグとエピローグを除いてほぼ立原教授のレクチャーシップに参加している公認心理師の白崎亜矢の1人称で書かれている。


リメンバー (幻冬舎文庫)

リメンバー (幻冬舎文庫)

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 文庫


主人公のフルネームが分かるのは何と3章(!)で1章では白崎という苗字と恋人の岸辺に「あーや」と呼ばれていることまでしか分からない。この時点で主人公の正体を意図的に隠しているような雰囲気があった。


恐怖なのは約10年前「リメンバー」で射殺されたはずのリカの死体を病院で死亡確認した人がいない(!)ということ。潜伏先の大久保のアパートからリカ以外に2体の女性の死体が発見され、そのうち1体は死亡して1日も経っていないことだ。この謎のエピソードは回収されなかった!これは今後の「リカ」シリーズのネタ振りなのか?


立原教授の周囲で起きる凄惨な事件、立原教授とのカウンセリング中に自殺したフリーライターの宮内はともかく他の人物は彼女にとって邪魔になったから殺したのであろう。さすがに彼女が宮内を扇動したとは思えない。

日比野が放火で殺されたのは日比野が執着していた結花子に疑いの目を向けるため、岸辺が酔った状態で轢死したのは自分に同情の目を向けるため、樋口刑事が惨殺されたのは結花子の過去を調べているように自分の過去を知られたら都合が悪いからだろう。
帰宅後の母親との会話がフェイクというか彼女の妄想の中の出来事だったとはね。あの子は確かに約20年前リカと接触していて一時言葉が出なくなっていた位に衝撃的な体験をしていた。立原教授に愛されないことを知った彼女が行動を起こすまで、6歳の頃に両親が離婚していて母子家庭で育ったこと、あの子と同じ名前ということをついスルーしてしまっていた。彼女とあの子が同一人物だったとは。


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